2010年1月31日(日)のこと。
ここは、アニスタ(兄貴のスタジオ=金内さんのスタジオ)の隣にある某コミュニティセンター。いつも、アニスタを利用させていただく時は、このコミセンの駐車場に停めさせてもらっている。もちろん、金内さんが、お断りをして、ご好意で駐車させていただいている。
昨年末、この地区の方より、「いっつも、スタジオで、どんだ曲どご練習してんなだ?演歌どがはでぎねが?」と聞かれたので、金内さんは、「演歌とかやっているバンドもありますよ」と返事をしたのだそうだ。
すると、「んだば、1月31日にコミセンで文化祭どごやっさげ、演奏してもらわんねがのぉ〜」との依頼をいただき、ボランティアバンド
ぽけっとに、出動要請があった。
『ぽけっと』の練習場所は、アニスタではなく、私の事務所なのだけれど、他のバンドで、私も、アニスタを利用させていただいているので、地区のみなさんに、音楽で御礼ができるのであれば、こんなに嬉しいことはないと思い、出演させていただいた。
初めて、コミセンの中に入ったのだが、新しい建物で、中の広さと設備の豪華さに驚いた。
立派なステージに、機材をセッティングしていると、金内さんが、忘れ物をしたというので、何を忘れたのか?と聞いてみたら・・・な、なんと、ギターを忘れた!と、聞いてビックリ!
自宅は、このコミセンのすぐ近くなので、すぐに取りに行ったけれど・・・いつもと様子が違う金内さんは、「変」だった!
地区会長さんが、「金内さんから、メンバーを紹介してください」と最初に言われたのだけれど・・・緊張のあまり、禎彦さんの名前がすぐにでてこなかった
金内さんの生誕の地ということで、幼い頃から知っている人がずらりだったので、緊張してしまったのだろう。
緊張していたのは、金内さんだけではなかった。地区のみなさんも、「生バンド」というのがはじめてだったので、警戒して、ステージから、ずーっと離れたところに座っていて、異様な距離があった。
あまりにも、離れていたので、会長さんにお願いして、もう少し、前に座って頂けるようにお願いしたのだけれど、「耳がキ〜ンとなっどやださげ」とか、子供のようにいろいろな理由を言って、なかなか動こうとしなかった。会長さんも、「ちゃんと音を作る人がいるから、耳は、キ〜ンとならねさげ、もっと前さきてくれ」と一生懸命だった。
最初は、険しい顔をしていた地区のみなさん。まるで、何をやる気なんだ!といった表情だった。ところが、ところが・・・1曲目を禎彦さんが、歌いだしたとたんに、全員手拍子をはじめて、どんどん柔和な顔に変わっていった。
2曲目に入るときに、「この○○地区が生んだスター、金内 直が歌います」と禎彦さんが、上手なMCを入れてくれた。金内さんが歌いだしたとたんに、地区のみなさんは、一気にヒートアップ!室内温度が、急上昇したのがわかった。
金内さん歌声を初めて聴いたという人がほとんどだったようで、歌声の素晴らしさに対する驚きと感激をモーレツに表現して下さった。
地元の応援って、すごいなぁ〜と思った。
みなさんが、喜んで下さる姿を見て、私も、とても嬉しかった。
マコトちゃんカットにした金内さん。
『ぽけっと』を結成して、7年。楽器&音響機材やステージ衣装などが充実し、ベストな状態で、金内さんの生誕の地で、初ライブができたということは、本当にありがたい。
そもそも、金内さんは、「自分の好きな音楽を誰かに聴いてもらって喜んでもらえたら嬉しい」という気持ちで、一人で、ボランティア演奏をはじめた。
それに賛同した私や禎彦さん、そして、音響のハーベストムーン氏と徐々に仲間が増えて、今の『ぽけっと』が存在する。
金内さんがいなかったら、こんなに楽しいライブは、ここで出来なかったのである。
私は、金内さんという存在の偉大さをしみじみ感じながら演奏をさせていただいた。
禎彦さんが、何をしゃべっても、地区のみなさんは、大爆笑!特に、面白いことを言っているわけではないのに、禎彦さんの庄内弁のおしゃべりを聞くのが楽しくて仕方のない様子だった。この日の禎彦さんは、まるで、きみまろのように見えた
みなさんが、私たち『ぽけっと』をあたたかく包み込むように受け入れてくださっている会場の雰囲気は、なんともいえない幸せなひとときで嬉しかった
みなさんは、D-DECKから飛び出す様々な音色にも、敏感に反応して驚いていた。
ティンパニの音をドンドンと叩くと、「へぇ〜!そんだ音までではんなんの!」と驚く声がハッキリと聞こえた。
反応が敏感に返ってくるライブって、本当に楽しい
最初は、30分間といわれていたのだけれど、「もっとやれー!」コール!!
この画像は、私たちが、ステージ上で、何の曲をやるか相談しているところ。
結局、1時間位演奏したことになる。
最後は、みなさんと一緒に歌って終わった。
ライブに感動して、泣く方々がいたので、「まず、泣ぐなちゃ!」と禎彦さんが声を掛けてあげたら、ますます泣いて・・・なんだろうね、この異様なノリはといった感じであった。
ライブが終わってから、握手を求められたり、話しかけられたり・・・会長さんからは、「コミセンの駐車どご、なんぼ使ってもいいからの!」と言っていただいたりと、本当にありがたかった。
音楽で、みなさんに御礼をさせていただける機会をいただけたことに感謝している。
ギブ&テイクが、音楽を通してできたということが本当に嬉しい日であった
これからも、この地区のみなさんにはお世話になります。あたたかく応援して下さい。よろしくお願い申し上げます