昨日のつづき。
斎染ブランドてぬぐい『ピアノ柄』の制作工程の紹介。
この『ピアノ柄』のデータをカッティングマシーンに取り込む。
3層のシール状になっている巨大なシートに切り込みが入った状態で出力されてくる。これは、すごいマシーンだ!
このような機械がなかった昔は、すべて手作業で型を切り抜いていたという話を聞いて、それもすごく気の遠くなる作業だと思った。
線だけ描いているようにしか見えないけど、ちゃんと切り込みが入っている。
このように、手作業で、上の2枚を剥がし、染料をのせたい部分は、セロファンだけにしていく。切り込みがあるので、剥がすだけの作業とはいえ、細かい柄だと、この作業にかなりの時間を費やすそうだ。今回のピアノ柄は、単純な柄なので、剥がすのは簡単と言われたが・・・緻密な作業なので、向き不向きがある作業のように感じた。
こうして、制作作業する側からみるデザインというのもあるということを知った。
ピンとシルクが張られている版に、シール状の型を貼り付けて、ようやく版が完成!
う〜ん、ここまでくるのに、予想以上に時間がかかるのね〜。。。
これは、染料の入ったバケツ。左が、顔料。気になる匂いはなく、ドロッとしているが、墨汁のように固まることはないとのこと。
染料と顔料では、仕上がりが全く違うのだそうだ。
どう違うのかということを説明していただいたのであるが、実際のところ、分かるようで分からない!
そんな私のために、今回は、染料と顔料の両方で作っていただけることになった。すみません。。。
染料を版の端に流し、スケージと呼ばれる長いゴムベラのようなもので、染料を引いて、版の上にのせていく。ここからは、満さんと奥様の美智子さんとの二人での作業となる。
スケージの棚には、大きさやゴムの固さが様々なスケージが並んでいた。その時々で、スケージを使い分けるのだそうで、この辺りは、経験を積んだ職人ならではの繊細な仕事だと思う。
まずは、捨て刷り。さらしを置く位置を決めて、裏側からも染料が染み込むようにするための工程であった。
刷り位置が決まったところにさらしを置いた画像。このようにシワにならないようにまっすぐさらしを置く技術もすごいと思った。
ようやくさらしに染料をのせるというクライマックスが近づき、工場内には、緊張感が張りつめた。
真剣な眼差しの満さん。いつも、柔和な印象の満さんであるが、この時は、職人のオーラがみなぎっていた。
てぬぐい1枚に、職人さんが気合いを込める姿を拝見し、てぬぐいに対するありがたさが、私の中で芽生えた。
満さんの仕事を美智子さんが、ササッとサポートし、二人の息の合った作業が、さすが!といった感じであった。
やっと刷り上がったと思ったら、さらに2度刷りをした。
これが、斎染のこだわり!てぬぐいの裏までしっかりと染めたいからとのこと。
「えっ!裏!?」と思わず、声を上げてしまった私。そう、私は、てぬぐいの裏面のことなど、気にして見たことが、全くなかったからである。
満さんは、染屋として、裏までしっかりと染めたいという思いがあるのだそうだ。
プリントてぬぐいは、表面だけにプリントされているので、裏は、白っぽいとのこと。そう言われて、はじめて「そうだったかも!」というほど、私の記憶は、曖昧であった。(^^;
ようやく、1枚完成!
わ〜い、出来た!出来た!!と喜んでいたら、これから、また先の作業があると言われてビックリした。
てぬぐいの制作って、こんなに大変だったの!?と驚くばかりの私。「でも、今回は、1色だから、これは簡単な作業だよ」って、言われたことが、これまたショックであった。
てぬぐいづくりって、大変なのね〜。。。
続きは、また明日〜!